転生者公爵令嬢は王太子相手に商売で無双する。王太子妃なんかお断りイケメン執事の方が好みです

最初にジュリエッタからそろばんの説明を聞いてから、並行してヤングマンはそろばんを大量に作らせることにした。これは絶対に爆発的に売れるだろうと判断したからだ。

それに特許を取った事でメロウ商会だけが扱える商品になったのだ。

足踏み脱穀機や水車小屋の設計図も特許を取得しているので今やメロウ商会には4個もの特許商品があるのだ。

商会で1個特許を持っていれば安泰といわれているなかでメロウ商会は4個も持っているのだ。

ヤングマンの人生はこの後も安泰だろう。

ジュリエッタ様は彼の給料を2倍にしてくれたのだ。

ヤングマンはひそかに一生ジュリエッタ様についていくと決心していた。

とんでもないお嬢様だ。尊敬しかない。

風前の灯火のようだったメロウ商会を救ってくれて、メロウ公爵家に莫大な富を呼び寄せている。

トスが言うにはそれでもお嬢様も奥様もエドガー坊ちゃまも決して贅沢はしないのだそうだ。

ジュリエッタ様と奥様は2人とも新しくドレスを作りもしない。

ただエドガー坊ちゃんは育ちざかりなので制服がすぐに小さくなる為それに関しては新しく新調しているが、エドガー坊ちゃんは申し訳ないと思っているようで、学用品なんかは丁寧に使っているのだそうだ。

鉛筆も小さくなって持てなくなると木を足して長くして使おうとしているのを見て、ジュリエッタ様が言い聞かせたそうだ。

“家での勉強に使うのはいいけれど、学校でそれを使うと公爵家はそんなに困っているのかと思われる。あなたは外に出ていて今は公爵家の顔なのよ。お母様も私も社交に出るときはきちんとしたドレスを着て宝石を付けるのよ。ただ今はお父様の喪に服しているからと言って社交は断っているだけよ。だから、外では公爵家の顔として堂々と胸を張っていなさい”とエドガー坊ちゃんに諭されたそうだ。

本当によくできたお嬢様で16歳とは思えない。メロウ家で一番のしっかり者で一番大人だとトスは言っている。

今ではメロウ商会と言えば飛ぶ鳥落とす勢いで、その商会長のヤングマンは王都を肩で風を切って歩いている。

でもヤングマンはそれはすべてジュリエッタお嬢様のお陰と分かっている。

自信をもってメロウ商会長を名乗ってはいるが、不要な見栄は張らない。

バーテンダーをしながら商会長をしていた頃を忘れてはいけないと思っている。

ジュリエッタ様も執事のトスも絶対に偉そうにしないし、ヤングマンはじめ従業員には敬意と感謝をもって接してくれる。

ジュリエッタ様の口癖は”ありがとう”だ。紅茶を入れて持ってくるポーリーにも、もちろんヤングマンにも御者にもいつもきれいな笑顔で“ありがとう”と言うのだ。

何処に行ってもだ。何かを仕入れに行っても、店員に丁寧に“ありがとう“と言う。

カフェやレストランに行っても給仕が何か運んでくるたびにきちんと目を見て”ありがとう“と言うのだ。

誰にもできる事じゃない。

公爵家の長子のお嬢様なのだからもっと偉そうにしていて当たり前なのだけれど、ジュリエッタ様はいつもにこにことしている。

本当に大したもんだ。といつもヤングマンは敬服しているのだ。