転生者公爵令嬢は王太子相手に商売で無双する。王太子妃なんかお断りイケメン執事の方が好みです

晩餐会には出たものの、相手のご令嬢は気位が高そうで気取ったものいいや態度がトスは気に入らなかった。

上から目線の癖にトスの事は上目使いに媚を売るように見てくるのには閉口した。

ジュリエッタは人を見下したりしない。屋敷の侍女やメイド、従僕にもとても丁寧だ。

いつも何かしてもらうとありがとうと言う。どこに行ってもだ。

この令嬢のようにしてもらって当たり前という態度は絶対にとらない。身分はジュリエッタの方が上なのに。

トスはついジュリエッタと比べてしまっている自分に気付いて苦笑した。

どれだけ自分はジュリエッタが好きなのだと、改めて感じさせられた。

食事は何を食べたのかもよくわからなかった。

メロウ家ではトスもジュリエッタ、エドガーと奥様のガレリアと一緒にテーブルに着く。

メロウ家の食事はにぎやかだ。

ジュリエッタもエドガーもその日1日の学院での事を話してくれる。

トスも知っている先生の話が出たりすると昔語りをしたりする。

それを奥様がにこにこして聞いているのだ。

時々前世の記憶なのだろう、ジュリエッタが料理長に教えて珍しい料理やデザートを作って貰う事があるのだ。

そんな時はその感想を言い合って食事時間が長くなる。とても楽しい時間だ。

ああ早く帰りたいとそわそわしてしまう。

バタール伯爵は娘と結婚したら次期伯爵の地位は約束されているのだから、こんなにトスにとっていい縁談はないだろうと鼻高々に傲慢に言い放った。

トスはデザートまで出るのを待って、すくっと立ち上がると

「ありがたいお話ですが、今メロウ公爵家を去るつもりもありませんし、結婚をするつもりもありません。僕には心に決めた人がいます。その人と結ばれなくても他の人と結婚するのはその方に失礼だと思っています。よい縁談をお申し出頂いたのに申し訳ございません」

そう言って深々と頭を下げてダイニングを出て行った。その場にいた全員が唖然としていた。

その後の事は父親が何とかするだろう。長兄のウイルもいる。

そしてその足でボン家を後にした。

夜遅くに帰ってきたトスに、みんなびっくりしたが、トスは何でもない話だったのですぐに帰ってきたのだとジュリエッタにも他の者にも伝えた。