転生者公爵令嬢は王太子相手に商売で無双する。王太子妃なんかお断りイケメン執事の方が好みです

トスは本当に真面目で誠実な人だから、その上頑固だし言い出したら折れない強さがある。

ジュリエッタは”トスの言うとおりにするわ。ありがとう“と言って二人で見つめあってちょっと照れながら目をウルウルさせた。

そして、数日後トスと侍女のアンナと3人で馬車に乗りでメロウの領地に向かった。御者も一人連れている。

着いたのは2日目の夕方だった。叔父様はここでは家令のジキリスと一緒に食事をとるそうなので、ジュリエッタとトスも入れて最初の日の夕食を共にした。

アンナも一緒にと言ったのだが、メイドたちとも話がしたいのでキッチンで一緒に食べながら仲良くなりたいし情報収集もしたいと言って一緒にはしなかった。

アンナの情報収集能力はすごいのだ。他家の情報も頼めばやすやすと手に入れてくる。

どうやって仕入れてるのと聞くとそれは秘密ですと言ってすました顔をしている。変な侍女なのだ。

料理人は一人だが、メイドも手伝っているようだ。

配膳は従僕がやってくれる。彼は馬車の御者も馬の世話もやる。

ここでは皆それぞれの役割のほかにも助け合って仕事をこなしているのだと言って叔父は笑っていた。

叔父はここで悠々と生活を楽しんでいたが決して贅沢をしていたわけではない。

メロウ家の人達は贅沢をしない。

ドレスもどうしてもいる時は作るけれど楽しみで作ったりはしない。

宝石も持っている物を使いまわしている。それが普通だと思っていた。

だから父親が亡くなって家計が困窮してきても追徴金という大きな試練があったとしても、日ごろから贅沢をしていないので支出を引き締めることに戸惑いはなかった。

でも普段からそう言う生活をしていたので支出を引き締めても効果はあまりなかった。

叔父は庭で自分達が食べる分くらいの野菜を楽しんで育てているし、服も質素なものだ。

随分前の服を太った体に会わせるために前身ごろを継いだりしてもらっているようだ。

でもズボンはそのようにはいかず、侍女にはもう太らないようにと厳命されている。

領主館には叔父と家令と掃除や洗濯、料理を担当するものが6人と庭師が一人いるだけだ。

住み込んでいるのは、家令と料理人1人と従僕1人に下働きのメイドが2人だ。

領主館としては雇い人が少なすぎる。でも、それで回っているからいいんだよと言って叔父は笑っていた。