本好きで恋愛苦手な私が推し小説家に溺愛されるまで


 私が尋ねると鷹司さんは意味深な笑みを浮かべて私に体を寄せ、腰に手を回した。
 すぅっと腰回りを撫でられて、私の心臓が跳ねる。
 その手つきには明確な意図が感じられて、体の奥が熱くなってしまう。
 私の様子に鷹司さんも気付き、熱のこもった目で私を見つめた。

「栞を抱きたい」

 鷹司さんは鈍感な私が誤解しないよう、ストレートに伝えて来るのでとてもわかりやすい。
 私は鷹司さんに抱きついて答えを伝える。
 すると、鷹司さんの長い指が私の顎を持ち上げ、キスをされた。

「ん……んっ」

 もう何百回としてるのに、気持ちよくて幸せで、何度も何度もしたくなるキス。

 息も絶え絶えになった私を鷹司さんが抱き上げてベッドに移動するのが、私たちのルールのようになっている。
 キングサイズのベッドに横たえられた私は、鷹司さんの耳元で囁く。

「もう……つけなくていいよ」
「いいのか?」

 結婚した当時は、私の書評家としての仕事がまだ不安定だから、私が一人前になるまで待ってもらっていたのだ。
 鷹司さんは私が働かなくても構わないと言ってくれていたけれど、「私自身が鷹司さんの隣に立つのにふさわしい女性になりたい」と説明したらわかってくれた。
 本当に素敵な人。

 私は鷹司さんの問いに頷く。

「待ってくれてありがとう。待たせた分、好きにしていいよ」

 私がそう言うと、鷹司さんの目が情欲でぎらつく。

「あまり煽るな。手加減できなくなる……!」

 こういう時の鷹司さんは本当に雄の色気全開でたまらない。
 余裕がないのか、自身の服を普段より荒々しく脱ぎ捨て、私も脱がされた。

「栞、愛してる……」
「鷹司さん……私も愛してる」


 ――読書が趣味の地味な私が、欲しいもの全てを手に入れるまで、あと少し。