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朝、目を覚ました瞬間、とにかく体が重かった。
まるで身体の上に何か乗っているみたいにだるくて、布団から起き上がる気力がなかなか湧いてこない。ついでに頭も痛い。ズキズキというほどじゃないけれど、鈍い重さが頭の奥に居座っている感覚。
原因なんて考えるまでもない。きっと昨日の夜遅くまで資料を読み込んでいたせいで寝不足なのだ。
私は天井を見上げたまま、しばらく動けずにいた。頭だけはぼんやり起きているのに、身体がついてこない。まぶたの裏に、昨夜のスライドの残像がまだ残っている気がする。
修正したターゲット設計、数値の根拠、導入後の成果指標、クリエイティブのトーン。考えれば考えるほど細かいところが気になって、結局ベッドに入ってからも頭の中だけがずっと仕事をしていた。
寝ようとしているのに、思考だけが止まらないまま時間だけが過ぎていくあの感じ。
そのまま、気づけば朝になっていた。
……だめだ。今日は、NEXERA株式会社がうちに二度目の訪問に来る日だ。昨日の修正資料の確認もあるし、提案内容の擦り合わせもある。
そんな日に「寝不足で頭回ってませんでした」なんて、笑い話にもならない。
重たい身体をなんとか起こして、私はゆっくりベッドから降りた。まだ完全に起きていない頭を無理やり動かしながら洗面所へ向かう。
鏡の前に立った瞬間、自分でも少し引いた。目の下にしっかりクマができていて、顔色も悪い。
一日寝不足なだけで、こんなになる?最悪なんだけど。
思わず小さくため息が漏れる。冷たい水を両手ですくって顔を洗う。パシャ、と水が跳ねて少しだけ意識が戻るけれど、瞼の重さはまだ残ったままだった。
しっかりしないと。今日は絶対に気を抜けない。



