怪物と呼ばれているルカなんかよりも、
人間のほうがよっぽど残酷だ。
痛みに唇を噛み締め、涙をこぼしながら、
雫は胸の奥でそう強く想った。
「……絶対に、離さない……!」
強く抱きしめる腕に、震えと痛みが絡みつきながらも、
雫の決意だけは揺らがなかった。
目の前で苦しむルカを守るためなら、どんな痛みも、雫は耐える。
そしてその痛みの向こうに、
ルカと2人で笑える未来があることを信じていた。
いつの間にか、ルカも泣いていた。
「……なんで……。
……っ、なんでだよ……!」
掠れた声が震える。
「俺は吸血鬼だ……人を喰らう怪物なんだよ……!!
なのに……なんで、こんな…………っ」
ぽろぽろと零れ落ちる涙が、ルカの頬を濡らしていく。
自分を責めるように、痛みに歪むように、必死に言葉を紡ごうとする
その口を――
雫はそっと手で塞いだ。



