「ルカ、ごめん……できない……!」
雫はそう言い放つと、震える手でルカの手を振り払い、傷に触れた。
身体を覆う淡い光が、ルカの深い傷にまとわりつき、
ひとつひとつ治癒していく。
光が収束すると、また別の傷に触れる――そのたびに、
信じられないほどの痛みが雫を襲った。
鋭く突き刺さるような痛みにもがきながら、
それでも手を止められない。
「やだよ……!やだ……!!ルカが居なくなったら私……
どうすればいいの!?お願いだから、自分を大事にしてよ……!」
雫の嗚咽交じりの叫びに、ルカは一瞬、手の動きを止めた。
その瞳に映るのは、泣き崩れ、必死に自分を守ろうとする
少女そのものだった。
ルカは雫にとって、真っ暗だった世界に差し込んだ光。
彼女が知る「人間」よりもずっと優しく、暖かい存在。
世界を、人々を敵に回すとしても、
雫は目の前のルカを失いたくなかった。
大好きな人を……絶対に失いたくなかった。



