その様子を見て、ルカは一瞬だけ言葉を失った。
それから、ゆっくりと口元を緩める。
「……そんなに喜ぶとは思わなかった」
そう言いながらも、声は柔らかい。
「綺麗だな。」
月明かりと星の光が、二人を包む。
湖面が静かに揺れて、風が木々をわずかに鳴らす。
その中心で――
雫は何度も空を見上げ、またルカを見て、何度も笑った。
ルカは、そんな雫の姿を知っている誰よりも大切そうに、
ただ、隣で見守っていた。
「連れてきてくれて、ありがとう……!」
雫の声に、夜風が少し揺れる。
その小さな声を聞くと、ルカはふっと笑みを浮かべ、そっと雫の頭に
手を置いた。
そのまま軽く、ポンポン、と撫でる。
優しげな仕草に、雫の頬がわずかに赤くなった。



