星、星、星。
思わず、息を呑んだ。
夜空一面に散りばめられた無数の光。
まるで、黒い天幕に宝石をばら撒いたみたいだった。
「わ…………」
声にならない音が、喉から零れる。
雫の視界いっぱいに広がる、満天の星空。
その中心には、ひときわ大きく柔らかな光を放つ満月が浮かんでいた。
そして――
その月は、ただ空にあるだけじゃない。
足元に広がる湖の水面にも、
同じ月が、静かに揺れながら映り込んでいる。
空と、水面。
二つの夜が、重なっている。
あまりにも美しくて、言葉が、追いつかなかった。
(……綺麗……)
いや。
“綺麗”なんて言葉じゃ、全然足りない。
胸の奥が、じん……と熱くなり、目の奥が少しだけ潤む。
雫は瞬きも忘れて、ただただ、目の前の光景を見つめ続けていた。



