「……?」
完全に混乱したままの雫を連れたまま、
ルカはゆっくりと前に一歩、また一歩と歩き始める。
足元が見えない。
どこに向かっているのかも分からない。
雫は、完全に「?」状態だった。
「え、あ、え……っ? 私、ちゃんと歩けてる……!?」
一人であわあわとあたふたする。
両手が宙をさまよい、バランスを取ろうとして空振りする。
そんな様子に、ルカは小さく息を漏らした。
――笑っている。
「ちゃんと歩けてる。ほら、段差もねぇ」
そう言って、支える腕に少しだけ力を込める。
その距離が近い。
背後から包み込まれるような体勢。
背中越しに伝わる体温。
心臓の鼓動が、やけにうるさく感じられた。



