切ったパンにバターを塗り、皿に丁寧に乗せながら、ぽつりと呟いた。
「前、人間が食う食べ物に興味あって買ったんだ。
……買っておいて良かった」
その声に、微かな笑みが混じる。
雫の瞳がさらに輝き、胸の奥がじんわり温かくなる瞬間だった。
テーブルの上に並ぶ香ばしいパンとバター、
そしてそこにいる二人だけの、ほんの少し特別な朝。
ゆっくりと椅子を引き、腰を下ろす雫。
ルカも雫の正面に置かれた椅子に座り、頬杖をつきながらじっと雫を
見つめる。
雫は小さな声で「いただきます」と手を合わせると、
恐る恐るパンを手に取った。



