隣の部屋に入っていったルカ。 ごそごそ――と、数秒の物音が聞こえた後、 バターやフランスパンを抱えて戻ってきた。 部屋の中央に設置されたテーブルの上にそれらを並べ、 フランスパンを丁寧に切り始める。 その様子を見て、雫も自然とテーブルに駆け寄った。 今まで、最低限の食事しか与えられてこなかった彼女にとって、 フランスパンとバターの組み合わせは、まるでお城で出るような ご馳走だった。 目を輝かせてテーブルの上を見つめる雫を見て、ルカはふっと表情を 和らげる。