一瞬、名残惜しそうに間を置いてから、軽く肩を回す。
「……もう平気だ。かなり回復できた」
そう言って、雫を見る。
柔らかく、どこか照れたような視線。
「……ありがとう」
その言葉に、雫は小さく頷いた。
「……うん」
笑顔を向けると、ルカは満足げに、ほんの少しだけ口元を緩めた。
その表情を見た瞬間、雫の胸の奥で、ふっと力が抜ける。
――よかった。
夜が明けた直後、窓辺で朝の光を避けていたルカは、明らかに苦しそうだった。
眉を歪め、呼吸も浅くて、見ているだけで胸が締めつけられた。
それが今は――
こうして、ちゃんと立って、穏やかな顔をしている。
雫は、思わず、じっとルカを見つめてしまった。
「……?」
視線に気づいたのか、ルカは不思議そうに首を傾げる。
銀色の髪が、さらりと揺れた。



