胸の奥に沈んでいた重さが、わずかに和らぐ。
肌を刺していたはずの朝の気配が、薄れる。
―――人間に触れている状態であれば、太陽光によるダメージが緩和される。
これも昔、家にあった本で知ったことだった。
「…………っ」
ルカの口から無意識に零れた声。
それが何を意味するのか、二人とも分かってしまった。
雫はゆっくりと顔を上げる。
朝の光に照らされて、白い頬が淡く輝いていた。
「……私が近くにいれば……
ルカは少し……楽、なんですよね……?」
問いかける声は確かめるようでいて、どこか決意を含んでいた。
ルカは、答えられなかった。
否定したかった。
否定すべきだと、分かっていた。
それでも――
身体は、正直だった。



