ずっと、利用されてきたから。 ずっと、お金のために力を使ってきたから。 周りの大人は皆、「使えるのだから、使うのが当たり前」 そんな顔をしていた。 雫自身も、そう思い込んでいた。 自分を気遣う、という発想そのものが、頭にすら浮かばなかった。 だから――驚いた。 痛いなら、使わなくてもいいんだって。 初めて、そう思えたから。 そんな「当たり前」をくれたのは、 家族でもなく、他の大人でもなく―― 吸血鬼の、君だった。