「……使うな、って……どうして……?」 雫は、戸惑ったようにそう尋ねる。 するとルカは、少しだけ目を見開いた。 まるで、その問い自体が意外だったかのように。 「なんでって……」 一拍置いてから、ルカは言った。 「……痛ぇなら、使わねぇほうがいいだろ。絶対」 当たり前のことを言うように。 迷いも、打算もない、真っ直ぐな目で。 ――痛いから、使わないほうがいい。 その言葉に、雫の胸が強く揺れた。 そんな考えに触れたのは、生まれて、初めてだった。