今まで両親の金儲けのために数々の怪我を直してきた雫でも耐えきれないほどの痛み。
それから数分ほど、痛みに耐え続けていた。
やがて、徐々に痛みに慣れてきた雫は、ようやくこわばった体の力を抜いた。
何度か深呼吸を繰り返しながら、ルカに支えられつつ、
ふらついた足取りでベッドに腰を下ろす。
雫の隣に腰掛けたルカは、一瞬だけ躊躇したように目を伏せたが、
ゆっくりと口を開いた。
「……この森を抜けた先にある町で、
不思議な力を持った少女がいるって噂を聞いたことがある。
莫大な金と引き換えに、どんな怪我でも治してくれるらしい」
ルカの言葉を聞いた雫は、思わず言葉を詰まらせて俯いた。
そんな雫を横目で見ると、ルカはさらに言葉を続ける。
「雫……なんだろ? その、噂の少女ってのは――」
小さく息をつき、ルカは自分の右肩に視線を落とした。
「じゃなきゃ説明がつかねぇ。
傷があんな一瞬で……しかも痛みも残ってねぇなんて、
いくらなんでも現実離れしすぎてる」
続けざまに発せられたルカの言葉に、雫の表情はさらに暗くなり、俯いた。



