その様子を見て、ルカは驚いた。
「っ……どうしたんだ!?」
雫の体を支え、背中を擦る。
必死に尋ねるルカの声が、雫の耳に届く。
でも、雫はそれどころではなかった。
痛みの中心――右肩を抑えながら、息を整えるのも精一杯だった。
雫が、先程自分が怪我をしていた箇所と同様の右肩を抑えている
ということに気づいた瞬間、彼ははっと目を見開いた。
――悟ったのだ。
自分の右肩が治った理由を。
そして――雫が今苦しんでいる訳を。
そう、雫には生まれながらにして、「治癒」という不思議な力があった。
しかし、その力の実態は残酷だった。
他人の傷を癒す代わりに、直した傷の痛みを雫自身が背負わなければ
ならない。
ほんの小さな擦り傷なら耐えられる。
だが、ルカの肩のように深く、酷い傷となれば――
その痛みは、全身を引き裂くほど強かった。



