――このまま見ているだけなんて、できるはずが、なかった。 視線は、ずっとルカの右肩を捉えたままだった。 近づくたびに、焦げたような匂いが強くなる。 胸の奥が、きり、と痛んだ。 ルカは、雫が自分の方へ歩いてきていることに気づき、不思議そうに瞬きをした。 「……?」 何をするつもりなのか分からない。 そんな顔だった。 雫は、深く息を吸い込んで心を落ち着かせる。 「……ちょっと、触りますね」 小さく、けれどはっきりと告げる。 返事を待たず、そっと手を伸ばした。