布ごと焼けただれているのだ。
「……っ」
雫は、息を呑んだ。
皮膚が赤黒く爛れ、ところどころひび割れている。
まるで、熱いものを浴びせられたみたいな――
そうか―――聖水だ。
聖水を浴びた吸血鬼の身体は、炎と同等の熱を持つそうだ。
だから、スーツまでも焼け焦げてしまったのだろう。
言葉には出さなかったが、直感的に分かった。
どうして、こんな。
どうして、そんな怪我をしたまま――
胸が、きゅっと締めつけられる。
雫の声は、震えていた。
「……だ、大丈夫……ですか……?」
ルカは一瞬だけ目を伏せると、先程までの淡々とした声で答えた。
「……大したことねぇ」
嘘だ、とすぐに分かった。
痛みを隠す人の言い方だった。



