ぽろぽろと、音もなく涙を零し続けるその姿に、
何も言うことができなかった。
「…………」
静まり返る一角。
そして、低く問いが落ちる。
「……貴様は、吸血鬼の味方か?」
あまりにも残酷で、単純な問い。
雫は、さらに腕に力を込めた。
抱きしめる。
失わないように。
あまりにも頼りない、今にも消えてしまいそうなほどの温もり。
それは、今まで触れてきたルカの温もりとは、似て非なるものだった。
「っ……」
喉が震える。
それでも、はっきりと。
絞り出すように――
「……私は……」
一瞬だけ、息を吸って。
涙でぐしゃぐしゃの顔のまま、顔を上げた。
「……ルカの味方です。」
迷いは、なかった。
世界がどうであろうと。
この先、何を奪われようと。
その言葉だけは、絶対に揺らがなかった。



