「……ルカ……?」
やっと絞り出した声は、ひどく小さくて、震えていた。
返事なんて、あるはずもないのに。
それでも、呼ばずにはいられなかった。
手が、震える。
呼吸が、うまくできない。
胸の奥で、何かが壊れる音がした。
「……ねぇ……」
ぽつり、と。
「……っ、なん.....で....?」
届くはずのない言葉が、空に溶けていく。
その場に、ただ立ち尽くすことしかできなかった。
――――どさり、と。
支えを失ったルカの身体が、力なく横へ崩れ落ちる。
首から先を失ったその姿は、あまりにも現実離れしていて――
それなのに、目を逸らすこともできないほど、生々しかった。
処刑台の足元に、じわりと広がっていく赤。
石畳の隙間をなぞるように、ゆっくりと、確実に広がっていく。
「…………」
音が、消えた。
ほんの数秒。
たったそれだけの時間だったはずなのに、永遠みたいに長く感じた。
そして――
「「「うおおおおおおお!!!!!」」」
爆発するような歓声。
誰かが叫び、
誰かが笑い、
誰かが手を叩く。
ルカの死を、心から祝福するみたいに。
まるで西洋の魔女狩りだ。
その熱狂が、波のように押し寄せる。
「やったぞ!」
「これでまた一匹減った!」
「ざまあみろ、化物が!」
耳を塞ぎたくなるような声が、四方八方から突き刺さる。



