叫び続けていた雫の動きが、ぴたりと止まった。
まるで時間そのものが引き延ばされたみたいに、
世界のすべてが、ゆっくりと鈍くなる。
ざわめきも。
歓声も。
誰かの声も。
全部が遠くて、ぼやけて――現実味を失っていく。
視界の中で。
笑顔のまま、確かに自分の名前を呼んだルカの姿が、
ゆっくりと、崩れていった。
そして――
ことん、と。
あまりにも軽い音を響かせながら、
ルカの首が落ちて転がった。
「………………」
声が、出なかった。
理解が、追いつかない。
さっきまで、そこにいたはずなのに。
笑っていたはずなのに。
(え………………)
思考が、空白になる。
足元が、ぐらりと揺れる。
膝が崩れ落ちる感覚さえ、どこか他人事みたいで。
視界の端で、赤が広がっていく。
現実だけが、残酷なほど鮮明だった。



