人の間を無理やりこじ開ける。
「どいて……っ、お願い……!!」
誰かの肩にぶつかる。
押し返される。
それでも止まれない。
最前列。
そこに割り込んだ瞬間、雫は金網に手を伸ばした。
ガンッ!!
鈍い音が響く。
「ルカ!!」
叫ぶ。
喉が裂けそうなくらいの声だった。
金網を叩く手が震えている。
「ルカ!!ねえ!!こっち見て!!」
視線が揺れる。
涙で前が滲む。
それでも、目の前の姿だけは見失わない。
俯いたままの銀髪。
動かない肩。
(起きてよ)
(ねえ、お願いだから)
雫は何度も金網を叩いた。
ガン、ガン、と音が広場に響く。
周囲のざわめきが一瞬だけ静まる。
視線が集まる。
けれど雫はもう、それすら見えていなかった。
「ルカぁ……っ!!」
声が、泣き声に崩れる。
その瞬間。



