終わりから始まる恋を、君と

複数の靴音が、ばらばらに洞窟の入口へ近づいてくる。

「……ここか?」

「さぁな。とりあえず探すぞ。」

男たちの声が混じる。

雫の喉がひくりと動いた。

(……入って来た)

遅かれ早かれ、とは思っていた。

それでも、現実になると身体の奥が冷える。

ルカは雫の前に少しだけ出て、無意識のように庇う位置に立った。

その動きが、逆に怖かった。

外では松明の光が揺れている。

洞窟に、影が複数落ちた。

「脱走した吸血鬼がここに潜んでるって話だが……」

「“治癒の異能を持った女”もいるらしい。

二月前くらいに騒いでた夫婦がいただろ。

どうやらそいつらの娘らしいぜ。」

その言葉に、雫の背中が強く跳ねた。

(……私のことだ。力のこともバレてる)

ルカの肩が、わずかに動く。

息が浅くなるのが分かった。