雫はそっとルカの胸元に手を当てた。
「ねえ」
小さな声。
「ルカ、今……何考えてる?」
核心を突くようでいて、でも押し付けない問い。
ルカの喉が、わずかに動く。
「……お前は」
掠れた声がようやく形になる。
「幸せになれよ」
それだけ言うのに、ひどく時間がかかった。
「俺みたいなのと……一緒にいない方がいい」
言い切った瞬間、ルカは自分の言葉に自分で傷ついたみたいに、
少しだけ顔を歪める。
雫は、しばらく黙っていた。
そして——
「それは、ルカが決めることじゃないよ」
静かに言った。
ルカの肩が、ほんの少しだけ揺れる。



