それを知ってか知らずか、雫は続けた。
「それにさ」
少しだけ抱きしめる力を強くする。
「私はルカに無理させるほうが、よっぽど嫌」
ルカの息が止まる。
雫は、当たり前みたいに言葉を重ねていく。
「私がルカの役に立てるなら、それでいいよ」
「……」
「それでルカが楽になるなら―――」
少しだけ間を置いて。
「血なんて、いくらでもあげる」
その一言に、ルカの身体が完全に固まる。
時間が止まったみたいだった。
ルカは、ようやく小さく声を絞り出す。
「……やめろ」
でもその声には、もう強さがなかった。
メニュー