終わりから始まる恋を、君と

* * *
洞窟に逃げ込んで、数十分が経過した今。

雫は、ある違和感を感じていた。

最初はただの「疲れ」だと思っていた。

聖水の傷もある。

逃亡の緊張もある。

ここまで無理をしてきたのだから、当然だと。

けれど――時間が経つほどに、その認識はゆっくりと崩れていった。

「……ルカ?」

声をかけても、返事が遅い。

ルカは岩に背を預けたまま、浅い呼吸を繰り返していた。

肩が上下するたびに、どこか苦しそうに歪む。

さっきまで少しだけ戻っていたはずの表情が、

また別の意味で崩れていく。

青白い。

明らかに、さっきよりも。

雫の胸に、嫌な記憶が引っかかった。