それは、かすかで、でも確かに“いつものルカ”だった。
雫はその変化に気づいて、胸の奥が少しだけ軽くなる。
「……ここ、しばらく隠れられそうだね」
「ああ。日も入らねぇしな」
ルカは天井を見上げる。
岩の隙間から、かすかな外光が揺れているだけだった。
「でも油断すんなよ。いつ見つかってもおかしくねぇ」
「うん」
雫は短く返事をして、少しだけ距離を詰める。
肩が触れるか触れないかの位置。
それでも、今はそれがちょうどいい距離だった。
ルカはその気配に気づいて、少しだけ目を伏せる。
「……なぁ」
「なに?」
一瞬、空気が変わる。
ルカの声が、少しだけ小さくなった。



