ルビーのように透き通った赤い瞳はまだ疲労感に包まれているのに、
どこか柔らかい。
「……ここまで来りゃ……とりあえずは、平気か」
「お互い、平気って顔じゃないね。」
雫はすぐにそう返して、苦笑いに近い息をこぼした。
ルカは一瞬だけ黙って、それから少しだけ視線を逸らす。
「……巻き込んで悪かった」
「それ、言うの何回目?」
「……数えてねぇ」
「じゃあ、これからは数えて。
今だけでも10回以上言ってるから。」
雫の言葉に、ルカはぽかんとした顔をした。
その反応が少しおかしくて、雫はほんのわずかに肩の力を抜く。
「……なんだそれ」
「もう謝らないでってこと。
私が自分から巻き込まれに行ったんだから。」
短いやり取りのあと、ほんの少しだけ沈黙が落ちる。
洞窟の奥で、水滴がぽたりと落ちる音がした。
その音がやけに大きく響くくらい、外は静かだった。



