「立てる?」 「……ああ」 ルカはゆっくりと立ち上がる。 まだふらつく。 でも、さっきよりは確かにマシだった。 雫はその横に立ち、短く言う。 「行こ」 ルカが横目で雫を見る。 何か言いかけて――やめた。 ただ小さく息を吐く。 「……そうだな」 雫は一歩踏み出した瞬間、遅れてやってきた痛みに顔を歪めた。 「っ……」 治癒の反動。 さっきまでルカの傷に流し込んでいた力が、 今度は自分の内側に跳ね返ってくる。 身体の奥がじわじわと焼けるように痛む。 それでも雫は、止まらなかった。