教会を出たとき、外の空気はやけに冷たかった。 朝でも昼でもない、曖昧な光。 人の気配がない道を選びながら、 雫はルカを支えたまま歩き続ける。 「……っ、は……」 ルカの呼吸が浅い。 時々、足がふらつく。 そのたびに、雫は強く支え直した。 何も言わない。 何も聞かない。 ただ、「安全な場所」を探すことだけに集中していた。 町の外れへ。 人の視線のない路地へ。 どこでもいい。 とにかく、今はここじゃない場所。 そうして、気づけば―― 石壁に囲まれた細い路地裏にたどり着いていた。