ガチャガチャと音がなった。
何度も失敗しながら、それでも――
ついに、鎖が外れた。
金属音が、静かな地下に落ちる。
その瞬間。
ルカの身体が、力を失うように崩れかけた。
「っ……!」
雫は反射的にその身体を支える。
思っていた以上に重い。
それでも、絶対に落とさないように腕に力を込めた。
「大丈夫……大丈夫だから……!」
誰に言うでもなく、必死に繰り返す。
ルカは息を荒くしながら、かすかに雫を見た。
「……来るなって……言った、だろ……」
それは怒りでも責めでもなく、
ただ、力のない声だった。
雫は答えない。
代わりに、肩を支えたまま立ち上がる。
「..............帰ろう。」
短く、それだけ。
ルカの返事を待たずに、雫は一歩を踏み出した。



