やがて―― 雫が、小さく息を吐いた。 震える手を握りしめる。 ゆっくりと、ルカの方へ一歩踏み出す。 「……ルカ」 掠れた声。 その声に、ルカの瞳がわずかに揺れた。 「……ルカっ!!」 雫の声が、地下に響いた。 次の瞬間、雫は鉄格子の中へと駆け込んでいた。 「来るな……っ」 ルカの掠れた制止の声も、もう届かない。 雫は膝をつき、震える手で鎖に触れる。 冷たい鉄。 でも迷いはなかった。 「今、外すから……っ!」 小さな鍵穴に指先を滑らせるようにして、 必死に手を動かす。