さっきまで“絶対に開かないもの”だったはずの牢が、
今、目の前で開いている。
兵士は鍵を抜き取りながら、ぽつりと呟いた。
「……これで、俺の人生は終わったな」
自嘲気味の笑み。
乾いた、投げやりな声だった。
ルカが、警戒するように身を起こす。
鎖が、ぎしりと鳴った。
雫は呆然と、その場に立ち尽くしていた。
兵士はそんな二人を一瞥すると、肩をすくめる。
「勘違いするな」
淡々とした声。
「情けをかけたわけじゃねぇ」
一歩、牢の外へ退く。
「かといって、上からの命令でもねぇ」
もう一歩。
「ただ……」
そこで一度言葉を切る。
松明の光が、兵士の横顔を照らした。



