「……はぁ」 深く、重いため息が落ちた。 まるで何かを諦める音だった。 雫が息を呑む。 ルカの視線も、兵士に向く。 兵士はゆっくりと腰の鍵束に手を伸ばした。 じゃら、と金属が擦れる音。 そのまま、何の迷いもなく鉄格子へと歩み寄る。 「……おい」 ルカの掠れた声が、かすかに漏れる。 だが兵士はそれを無視するように、鍵穴へ鍵を差し込んだ。 カチャリ。 乾いた音が、地下に響く。 次の瞬間―― 重い鉄の扉が、ゆっくりと開いた。 「……っ」 雫の喉が、ひゅっと鳴る。 信じられない光景だった。