「……お願いします」 声が震える。 それでも、言葉は途切れない。 「その人を……ルカを、解放してください」 地下の空気が、しんと静まり返る。 兵士は無言で、雫を見下ろしている。 雫は頭を下げたまま、動かない。 「この人は……誰も傷つけてないんです」 必死に、言葉を紡ぐ。 「私に優しくしてくれただけで……っ、何も悪いことなんて……」 声が、少しずつ掠れていく。 それでも。 「お願いです……!」 ぎゅっと拳を握りしめる。 「この人は、怪物なんかじゃない……っ」