「……し、ず……く……?」
掠れた声。
喉が焼けたようにひどく弱々しい。
その瞬間、ルカの目がはっきりと見開かれた。
「――っ、なんで……来た……!」
身体を起こそうとして、鎖ががしゃりと音を立てる。
力が入らず、すぐに崩れ落ちるように壁にもたれた。
それでも、必死に顔を上げる。
「来るな……っ、帰れ……!」
呼吸を乱しながら、声を絞り出す。
「お前が……ここにいたら……っ、意味、ねぇだろ……!」
その声は怒鳴り声でもなく
ただ必死に“遠ざけよう”とするものだった。
自分のためじゃない。
雫のために。
それが分かるからこそ――
雫の胸が、ぎゅっと締め付けられる。



