扉の外は――
ひどく、荒らされていた。
家具は倒れ、床には割れた木片。
壁や床のあちこちが、不自然に濡れている。
(……これ……)
嫌な予感が、背筋を走る。
鼻をつく、塩っぽい、刺激的な匂い。
――聖水だ。
ぞっとして、雫はその場に立ち尽くした。
ここで、確かに“狩り”が行われたのだと、はっきり分かる痕跡だった。
ルカは、ここで――
その先を考えた瞬間、胸が張り裂けそうになり、雫は思わず息を詰めた。
玄関のドアは開きっぱなしだった。
嫌な予感が現実になる。
ドアの手前――
そこには、無数の血痕が飛び散っていた。
乾ききらない赤黒い跡。
引きずられたような線。
踏み荒らされた痕。



