草が足首に絡みつき、枝が腕を掠める。 小さな痛みが、次々と積み重なった。 でもそれは、 今まで部屋で受け取ってきた痛みとは、どこか違っていた。 ――自分で選んだ痛みだった。 息が切れ、視界が揺れる。 それでも、雫は走り続けた。 行き先も、帰る場所もないまま。 ただ、夜の中へ――。