いつも余裕のある笑みばっかり浮かべる月の、触れたら溶けてしまう雪のような優しい笑顔。
それは、私の目にはどこか儚げで寂しそうに映った。
「あのとき、巻き込んでごめん。……ほかにもいくらでも未来はあったのに」
「……月は、後悔してるの?」
「…そうだよ」
「そっか。……私がいないほうがっ、よかったんだねっ!」
「ちがっ───」
何も悪くないドアに八つ当たりして、自分の部屋に駆け込む。
月は、私が邪魔だって意味でああ言ったわけじゃないってわかってるのに。
本当に私って、かわいくない。
「なんで、なんで教えてくれないの……?」
枕に顔を埋めた言葉が、月に届くわけないのに。
私はいっつも大事なときに向き合えない。──いなくなってしまうのが怖いから。
ひとりで泣く夜が寂しいって知ってるから。もうそんなことに、なりたくないから───



