飛輪さん───月のお父さん。
そして、【Fluel】の元総長で、今も実質の権力を握っている人。
「月、どうせすぐに出てきますよね。それまで待たせてもらっていいですか?」
「…いいよ」
レオくんは、月ことを昔から知ってて、きっと月に信頼されてる。
それが少し羨ましい。
レオくんとふたりでリビングにいてもやることもないから、私はひと言断って自分の部屋に戻る。
「月……」
月の力になりたい。
人生に何の希望も見出せなくなっていた私を救ってくれたのは、紛れもなく月だから。
でも、私ができることは、あまりにも少ない。
「ルナさん、月がシャワー使い終わったので、暇なときにどうぞ」
「わかった。ありがと」
自分の部屋で宿題をしてしばらく。
なんで月じゃなくてレオくんが伝えにくるんだ……?なんて疑問はすぐに自分の中で消える。
ああいうときの月は、大体そうだ。省エネっていうか。
本当に必要最低限のことしかしない。
寧ろ、自分にとっての必要なことでもほったらかしにしたりすらする。
「────さい!」
「─────」
「────ですね」



