片思いをする彼の瞳に片思いしてしまった私。そう、この恋は実らない。

「一緒に、ねぇ。せっかくのドレスが台無しだな」
「……」

 彼は鼻で私を笑う。
 しかも行儀悪く足を組んだままで。

「王女殿下と同じところでドレスを作ってもらっても、そんな顔をしていたらどうしようもないだろう?」
「……」

「殿下のように愛らしくなれとは言わないが、もう少しどうにかならないのか? みんなが氷の令嬢だと馬鹿にしているのは知っているだろう」
「……ええ」

 よく知っているわ。
 あなたが他の貴族たちに言い回ったせいで、そんな不名誉な二つ名が広まったこともね。

 だけど責める権利のない私は、言われるまま放置していた。

「だいたいこうやって毎週婚約者が会いに来ているというのに、もう少し嬉しそうにできないものか?」

 蔑むような目で私を睨みつけたあと、彼はブロンドの自分の髪を掻いた。
 
 やや長い髪を後ろで一つ縛りにしているせいか、しっぽのようなそれがせわしなく揺れている。

「善処するわ」
「まったく……本当に可愛げがない。こんなでは、愛することなど不可能だぞ」
「結婚に愛など不要なのではなくて?」

 言い返されたのが腹立たしいのか、彼は益々眉間の皺を増やす。