片思いをする彼の瞳に片思いしてしまった私。そう、この恋は実らない。

 客間では、待ちわびたというようにソファーに深く腰掛けながら、足を組んだコンラッドがお茶を一人飲んでいた。
 
 そして私を見るなり、その細い目をさらに細める。

 よく言えば、切れ長の青い瞳。
 だけど、ルドウィックの瞳と比べたら本当に細いのよね。

 体型だってそう。
 ルドウィックが高身長でがっちりしているのに比べ、コンラッドは背こそあまり変わらないものの、筋肉などはまったくない。

 でも社交界では、イケメンの部類に入るらしく、しかも甘い言葉を惜しげもなく囁くコンラッドは人気が高かった。

 まぁそれも、私を除いてなのだけどね。

「やぁアリスティーネ。それは王宮ご用達のマジョルカのお店のドレスかい? 美しいね」

 手に持っていたティーカップをテーブルに置きながら、コンラッドは私を見た。
 
 いや、正確には私のドレスを、か。

 下から上まで確認するように見た後、わざわざドレスだけを褒めるという。
 
 彼からしてみれば、他に褒めるところがなかったからなのだろうが、マナー違反でしかない。

「ええ。王女殿下が一緒に作ろうと言って下さったので」

 私は表情を変えぬまま、彼の正面のソファーに座った。