片思いをする彼の瞳に片思いしてしまった私。そう、この恋は実らない。

「はぁ」

 婚約者から解放され、一人中庭でゆっくりしているとはいえ、侍女たちが用意してくれたお茶もお菓子も、何の味も感じられなかった。

 あの日からずっとそうだ。

 侍女たちはストレスだと言っていたが、一度医者を呼んだ方がいいかもしれないわね。

 こんなにも体が重くて、味も感じられないなんて少し異常だわ。

 さすがに心配した母が心配して具合が悪くなるといけないからそのままにしていたけれど。
 倒れたら困るものね。

「全てうまく行ったんだもの……喜ぶべきなのよね」

 コンラッド自体に未練はないし、婚約にも未練はない。

 だけどなんだろう。
 そう表現は難しいけれど、ちょっといろいろ疲れてしまったみたい。