片思いをする彼の瞳に片思いしてしまった私。そう、この恋は実らない。

 もしかしたら父から叱責されるかもしれない。
 でもそんなことすら、私にはどうでも良いことだった。

「心配ですので、屋敷までお送りいたします」
「ですが」
「このまま王女殿下の元へ戻る方が、怒られてしまうでしょう」

 やや沈痛な彼の顔は、私に同情してくれているのだろうか。
 
 一人になりたいと思うと同時に、誰かに優しくされたいと願うやや相反する私は彼の好意に甘える。

 馬車に乗りぐったりと疲れた私に気遣った彼が、屋敷に着くと、家令に父への伝言を頼んでいた。

 申し訳ないことをしたとは思いつつも、最後まで彼に甘えたまま私は一人部屋に戻りベッドに横になった。