片思いをする彼の瞳に片思いしてしまった私。そう、この恋は実らない。

 この先に地獄が待っているとも知らず、ある意味若いということはいいことなのかもしれない。

「コンラッドにはあなたから私との婚約破棄になったと伝えなさい」
「もちろんです」

「追って、うちから破棄の証明を送りましょう」
「ありがとうございます。あの、でも破棄の代償などは」
「それは私の与り知らぬところ。そのうち公爵家から話が行くと思いますわ」

 その時に後悔しても、もう遅い。
 口約束とはいえ、この瞬間から破棄はもう確定してしまったのだから。

 あれほどクギを刺しておいたというのに。
 
 だけど子どもが出来たからといって、それを祝福してあげるほど私は寛大ではない。
 
 でも真実の愛だというのならば、彼らがこの先はどうにかすべきことなのだろう。

「ルドウィック様、馬車まで送っていただけますか?」

 今はもう、すぐにでも帰ってベッドに横になりたい気分だった。