片思いをする彼の瞳に片思いしてしまった私。そう、この恋は実らない。

「ああ、深い意味ではなくてね。王女殿下が輿入れされてしまえば、護衛対象がいなくなってしまうので。その、所属先が変わるのかと……ふと思っただけですわ」
「一応第二騎士団への配置換えの打診や、他の仕事の打診は来ていますね」
「他、ですか……」

 どこかのお屋敷の護衛などってことかしら。
 護衛騎士に選ばれるほどの腕があれば、引く手あまたよね。

「公女様のところで雇ってもらえますか?」

 急に立ち止まったルドウィックは、そう言いながら私の顔をのぞき込む。

 真っすぐな彼の瞳には、私が映っていた。

 彼にとってはただのいたずらのようなものだったのかもしれない。

 だけどたったそれだけのことで、心臓が止まるかと思うほどだった。

「何もそんなに驚かなくとも」

 どう返していいか分からず、声が出ない私を見て、ルドウィックはフッと笑った。