片思いをする彼の瞳に片思いしてしまった私。そう、この恋は実らない。

 今まで反抗などしたこともなかったから、一度くらいという気持ちもあるけど。

 だけど白紙に戻したところで、不利益になるのは我が公爵家だ。

 家のことを一番に考えたら、そんなことをすべきではないだろう。

「後悔しても知らないからね」

 殿下はそう言いながら、頬を膨らませた。

「すみません」
「あなただけじゃないわ」

 殿下の言葉に私は少し首をかしげる。
 私だけじゃないというのは、どういう意味かしら。

 父が後悔する姿とか、全く想像できないのだけど。

「まったく……。今日はもういいわ。あとで対策を考えましょう」
「は、はぁ」