片思いをする彼の瞳に片思いしてしまった私。そう、この恋は実らない。

「……あなたが何をしようと、誰とどういうことになろうと、次期公爵としての振る舞いと身の振り方を分かっているのなら何も言うつもりはありません」
「!」
「今日は体調が悪そうですね。お帰りになられてはいかがですか?」

 遠回しにクギを刺すと、彼は顔を真っ赤にしながら立ち上がり、私を一瞥した。
 そして鼻を鳴らし、挨拶もせずに大きな足音をわざとらしく立てつつコンラッドは客間から出て行く。

 彼が部屋を出たその瞬間、私は今日一番の大きなため息をついた。